Q

今年開業予定の行政書士です。

独立開業ということで、確定申告も自分でしなければなりませんが、青色申告にした方がよいですか?

そもそも、青色申告というのが何なのかもよく分からないのですが、よろしくお願いします。

 

日本の税法は原則として「自分で計算し、自分で申告し、自分で納付する」というセルフサービスです。「苦労して稼いだお金を自分で計算して申告して、そのうえお金も支払うってどんなプレイだよ」と思うこともありますが、その形式ですっかり制度化されています。しかし、自分で計算するとなると、どうしても自分に甘くなったり誤魔化しがちであるのが問題点。

 

そこで設けられたのが青色申告制度です。誤魔化さずに帳簿をつけてちゃんと計算した人は青色申告する事ができ、ご褒美が用意されています(これに対して帳簿をつけるという作業をすっとばして申告することを通称「白色申告」といいます)。

個人が青色申告をした場合のご褒美として一番メジャーなのは「青色申告特別控除」というやつで、青色申告というだけで最高65万円が経費となり、その金額にご自身の税率(所得に応じて5%~45%)をかけた分だけ税金が減ることになります。1円もかけずに税金を減らすことができるというのはありがたいですよね(もちろん手間はかかるわけですが)。

他にも、今年の赤字を来年以降3年間の黒字と相殺できる制度があったり、経費の幅が広がったりと良いことがたくさんあります。

 

こう書くと、私が国の手先として青色申告を薦めているように見えるかもしれませんが、決してそんなことはありません。帳簿をつけることや証拠書類としてのレシート集めは面倒ですし、私も自分のは嫌いです(他人のはわりと好き)。税金がちょっと安くなる程度であれば、手間のかからない「白色申告」を選びたいという気持ちはよくわかります。

さらに言えば、帳簿がないわけですから適当に経費を盛って申告をし、得している人がいるとも聞きます(伝聞です)。そして経費を盛りすぎてダメ出しされてる人もいると聞きます(あくまで伝聞です)。

 

ですが、最近ではある程度の白色申告にも最低限の帳簿作成が要求されていることもあり、「どうせ記録をつけなければいけないのであれば青色申告にしましょうか」という感じで(消極的にですが)お薦めしているというのが本当のところです。

 

とはいえ青色申告の普及率は60%ありません。多少のご褒美では皆さんなかなか動かないもんですね。

まあ私は青色ですけど、世間体的に。