商品は一つだけ。経費を仕分けるための封筒。
そういうネットショップを2018年5月、Stores.jpさんにてオープンしました。お店の名前は『経費擬獣図鑑』。
ありがたいことに様々なウェブメディアでご紹介いただいたりもしたのですが、当初は販売目的のものではなく、もっと言えば封筒になることすらも予定していませんでした。

事の発端は2017年の秋。ネットでDMMさんの「四字熟語の擬人化」というニュースを見て「勘定科目の擬人化をしたら会計や経理に少しでも親近感を持ってもらえるかも」と思ったのがスタートです。以前から「税理士」やら「会計」やらという言葉自体が敷居の高いものとして受け取られてしまっている現状をどうにかしたいと思っていた私には、そのイメージを変えるための妙手に感じられたのです。
それが具体的に動き始めたのは11月。インフルエンサーさん向けの確定申告セミナーという話が舞い込んできた際に「インスタ映えするお土産を作らねば!」という強迫観念に駆られ、「勘定科目を擬人化したグッズを作ろう!」というところに思考が着地しました。
ですが、そこで直面したのは「キャラクターをどうするか?」「どうやってお安くすませるか」の2つの問題。あくまでお土産ですからそんなにお金かけられないですし、そもそも自分では絵が描けないし。

そこで詳しそうな方たちにご相談しつつ、という進め方になったのですが、その結果、「萌えキャラ化」から「妖怪化」、最終的には「動物化」という変遷をたどりました。
もともとアイデアを現実のものとして着地させる能力は私には皆無ですから、アイデアからイラストレーターのヨシオカサトシさんとの交渉まで、株式会社BUBEEの福島さんにおんぶにだっこ状態でした。「ちゃんと形にできる人ってすげぇなぁ」と思いながら見ていただけでしたね。

素敵なキャラクターができても予算がないことに変わりはありません。ちゃんとしたクリアケースのようなものを考えたのですが、一番コストのかからなそうな封筒に落ち着きました(クリアケース化もまだ諦めてませんけれど)。

結局セミナーには間に合わなかったわけですが、「消耗品ネズミ」「旅費交通費ツル」「接待交際費ウサギ」「医療費クマ」「雑費タマゴ」の5キャラによる領収書保管袋が完成し、セミナー参加者に遅ればせながら送ることとしたのですが、納品されたものを何の気なしにツイッターにアップしたことで思いも寄らない事態が発生します。

>『経費擬獣図鑑』、商品化への道(その2)